「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える
ネットをうまく使い大統領選挙に当選したバラク・オバマが、
具体的にどうやってソーシャルメディアなどを活用したかが書かれている本です。
スケールが大きいので今まで読んでいなかったのですが、読んで感じたのは、一般市民にも使える技術が満載ではないかという事です。
とりわけ、商売している人が顧客を集客したい、フェイスブックのファンを増やしたい、Twitterのフォロワーを増やしたいなど、そういった、自分のファンを増やしたい方にとても参考になる本だと思います。
今日は、そんな本書の個人的に目からウロコ部分を少し編集して紹介したいと思います。
電話サービスをする
オバマ陣営は、随時ネットで献金を求めていました。
それを加速させるためにあることをした
それは、
25万人目の献金者にオバマ本人と一対一で電話すること。
25万人目の献金者と直接オバマが電話したのです。
しかも、それを録音してブログでみんなが聞けるようにしました。
もっと献金させるインセンティブ作りですね。
ディナーをする
こちらも同様なのですが、
献金者数人を集めて、オバマとディナーをするというものです。
もちろん、録画されブログ、YouTubeで公開されました。
ネガティブキャンペーンを逆手にとる
政治選挙ならではの事なのですが、ライバル候補者の弱点を攻撃して支持率をさげるネガティブキャンペーンというのがあります。
もちろん、オバマも相手候補者(クリントン)に幾度となくやられました。
しかしオバマはそれを利用したのです。
何をしたのかというと、
ライバル陣営がオバマを攻撃した時に、ネガティブに攻撃されたので48時間以内に25ドル献金してください。と支持者に言ったのです。
分かりますか?
クリントンがオバマを攻撃すると、献金が増える状況をつくったのです。
すばらしい!
バスケをする
少なくとも20人の友達を有権者登録させた学生から一人を選び、友人二人と組んで
バラク・オバマチームと3オン3形式のバスケットをしたのです。
もちろんハイライトはブログやフェイスブック、YouTubeを通してパブリックに流されました。
ちなみに、結果は15-5でオバマチームの勝利。
オバマ本人はゴールを4回決め、アシストを1回したそうです。
このバスケのおかげで、さらに有権者登録が15万人増えたと言います。
ネットユーザに対してうまく依頼する方法とは?
「調査に回答してください」
「アンケートに答えてください」
「動画をみてください」
「ブログにコメントしてください」
「Twitterフォローしてください」
などなど、これではユーザはうんざりします。
ではなく、もっとシンプルで手間のかからない簡単なことを要求するのです。
アンケートではなく、一問だけ答えて欲しいとか、ユーザ登録してなくてもコメントができるようにしたり、
回答(レスポンス)にかかる時間が短いほど、手間がかからないほど良いのです。
まずは、分かりやすくシンプルに手間がかからないです。
献金を小額に制限する
オバマは、今までの献金の集め方の概念を覆す方法でお金を集めました。
日本円で数千円の献金を繰り返し定期的に要請したのです。
どかっと大きいお金を富裕層に求めるやり方ではなく、
浅く広くで集めました。
結果、マケインの献金額が3億6000万ドルに対して
オバマが、7億5000万ドルです。
どちらがうまいやり方か、一目瞭然ですね。
支持者に仕事をしてもらう画期的な方法とは?
オバマ陣営は二週間に一回のペースで支持者に新しい仕事を与え、友人を新規登録メンバーに勧誘してほしいと要請する事をしていました。
要するに、友達に一緒にオバマを応援しませんか?有権者登録しませんか?という仕事を与えたのです。
方法は、三つです。
1、実際に友達の家に訪問し勧誘する。
2、電話で勧誘する。
3、オバマに関するイベントを行いそこで勧誘する。
選択肢は三つあって選べる自由さがあります。
しかし、すごいのはそんな事ではなく、これら勧誘をし成功するとオバマポイントがもらえるという事が面白いのです。
そのポイントは加算されランキングとしてブログで好評されます。
これもまた、勧誘させるという支持者への「やる気」を促している方法のひとつというわけです。
ファンのインセンティブを最大限にさせる方法とは?
これはほんと目からウロコのやり方でした。
先ほど、勧誘に成功すればオバマポイントを配布してランキング付けし発表されると言いました。
しかし、これって結構ありきたりの方法ですよね?
実は途中からオバマ陣営は違う方法を採用したのです。
それは、
「アクティビティー・インデックス」
ユーザーが参加した活動の種類を明確にしたのです。
たとえば、勧誘電話が30回、イベントが3回、訪問勧誘が2回、
その上でユーザーの活動レベルを10段階に格付けした。
ランキングだけだと上位にならないと面白くないので諦める人が現れる一方で、これだと多くの人に充足してもらえるメリットがあり広く浸透するというのです。
さらに面白いのが、最近の活動だけを格付けの計算に反映されるようにした事です。
継続して活動させるために、最近だけのが採用されるようしたのです。
イベントでファンを増やす
オバマファンの増やし方の最大の武器でもあります「多彩なイベント」があります。
その中でも驚異的な有権者を登録させたイベントがあるので紹介しておきます。
オバマを支持する人は、地域の奉仕活動をしようという運動です。
公園の清掃、児童養護施設へのボランティア、お隣さんのタイルの張替え、などなど小さな奉仕活動をしようと呼びかけたのです。
するとどんな事がおきたかというと、オバマ支持者は良いことをしているなと周囲から見られるのです。
このイベントは全米各地で行われるくらい拡大し、一つひとつのボランティア規模も大きくなり、それを報道するメディアも現れ、良いスパイラルがさらに回るようになったのです。
電話と戸別訪問を加速させる
これもびっくりした方法です。
先ほど、有権者勧誘のために、支持者は電話と戸別訪問のやり方があると書きました。
しかし、友達を勧誘するといっても限りがあると簡単に想像できます。
それでは困ると考えたオバマ陣営はこんな事をしたのです。
N2Nというサイトを作り、そこでは戸別訪問の場合、近くの近隣住民の個人情報リストを割り当てたり、電話勧誘の場合、自分の趣味とあった、もしくは興味がある似たような人をピックアップしリストにしたものを割り当てたのです。
つまり、電話しやすい、訪問しやすい情報をリストにして提供したのです。
驚きです;
なんといってもメールが最大の武器
なんといってもオバマからの直接届くメールが最大の武器といっていいでしょう。
選挙期間中に支持者に送ったメールは総数10億通と言われています。
内容はとりわけ、小額の献金要請や勧誘の要請などです。
しかし、毎日毎日こんなメールが来てもうっとうしいだけですので、オバマ陣営は個別に集計し、献金してくれた人には、した日から間をあけて二週間後にもう一度献金要請するとか、勧誘してくれた人には期間をあけて要請するなどの配慮をしたのです。
さらに最後の最後までメールは配信されました。
投票日にもオバマは近くの人にも投票に行こうと誘おうと言って、近隣の有権者5人の名前が書いたメールを発信したのです。
有権者の声を多彩に使う
たとえば、有権者の応援メールをオバマ公式ブログで公開したり、冒頭で述べた有権者との電話を公開したり、さらには、有権者からの質問やアドバイスをオバマ本人がブログ・Twitterで回答したりしていたのです。
今では当たり前のことですが、コツコツとこういう事をやることがファン獲得の後押しになるのです。
以上、まとめ
どうでしたでしょうか?
意外と一般市民の人たちにも応用できそうな事が多くあると思いませんか?
商売する人や、自分のファンを増やしたいという方は是非参考にしてもらえればと思います。
ここで紹介した事は、ほんの一部です。
ほかにも書きたい事は山ほどあったのですが、あまり長すぎてもと思いましてほどほどにしました。
ソーシャルメディアの使い方、集客方法、ファンの増やし方に興味がある方は一読して損はないと思います。
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